結果に git commit する

技術的なことはあまり書きません

高専から東大に編入すると強制的に留年する話

この記事は留年生 Advent Calendar 2017 - Qiitaの21日目の記事です。

はじめに

こんにちは、東京大学 工学部 電気電子工学科というところに通っている学部3年生です。
僕は「明石工業高等専門学校(明石高専)」という学校を卒業したあと、東京大学に「編入学」という形で入学しました。
現在22歳で大学4年生の歳ですが、大学3年生に所属しています。
今回はその謎を解き明かしていきましょう。

高専とは

高等専門学校」を省略して「高専」と呼ばれています。
日本全国で50個くらいあります。
僕は兵庫県明石市にある「明石高専」というところに通っていました。

高専は、中学校を卒業したあと、高校に入学するのと同じタイミングで入学する学校です。
そして、普通高校と違って高専は5年間通います。

歴史的には、終戦後に日本は技術者が少ない状況に陥り、専門技術を持った人間を素早く社会に放出するために高専という教育機関が作られたという経緯があったりします。

高専で学ぶこと

高専では、高校1年生の歳から専門的な知識を学ぶことができます。
専門分野は様々なものがあり、高専によっても違います。
僕が通っていた明石高専では、

の4つがあり、僕は電気情報工学科に所属していました。
電気情報工学科では、

  • 電気回路
  • 電子回路
  • ディジタル回路
  • 電気磁気学
  • プログラミング(C言語)
  • 電気情報工学実験

などの専門教科を1年生から学ぶことができます(一部1年生では履修しない科目もあります)。

高専生の進路

高専には5年間通うことになるので、卒業する頃には20歳、大学2年生の歳です。
その後の進路はどのようなものがあるのでしょうか?

結論から言うと、

  • 大学へ編入学
  • 就職
  • 専攻科に進学

の3つがあります(他にあったっけな…)。

大学へ編入学する際には大学1年生ではなく、途中の年次に編入することになりますが、詳細は後述します。
また、高専が技術者の早期育成のために作られたとだけあって就職率はほぼ100%となっており、求人が毎年たくさん来るので就職する人もいます。
さらに、高専は5年間通いますが、さらに2年通って専門技術をより深く学び、学術研究に活かすことを目的に専攻科というところに進むという進路もあります。

進学と就職の割合は高専によって大幅に変化し、僕が通っていた明石高専は進学:就職=7:3くらいですが、別の高専ではその割合が逆になったりします。

東大に編入すると留年する?

やっと本題ですね。
高専は5年間通うので、卒業する頃には20歳、大学2年生の歳です。
よって、だいたいの大学では大学へ編入すると3年生になります。

しかし、東京大学京都大学に編入した場合は2年生に編入することになります。
1年ずれて留年したみたいになるってことですね。
その謎を解き明かしましょう。
ちなみに、京都大学に編入すると2年生になる理由は知らないので誰か教えてください。

東大の教養学部進振り制度

東京大学に入学した学生は全員「教養学部」という学部に所属することになります。
教養学部ではスペイン語や社会生態学などの文系科目から微分方程式やベクトル解析などの理系科目を履修してそれぞれの単位を取得する必要があります。
そして、大学2年の夏に「進振り」という制度があり、今までの成績をもとに「工学部」や「理学部」、「文学部」などに進学することになります。

謎の真相

教養学部で単位を取ったあと進振り制度で学部に配属されることを前述しました。
しかし、高専からの編入生は「教養学部で取得する単位」を全部は持っていません。
それらを取得するために2年生から編入学する必要があったってのが2年次に編入する必要のある謎の真相でした。
高専で取得した単位がいくつか認められるので、1年生ではなく2年生からになる感じです。

実は3年生を2回やっている

あ、2年生に編入学すると言いましたが、あれは嘘です。
3年生に編入学します。
なぜなら、高専生は編入学という形で入学しますが、編入を管轄しているのは工学部で、教養学部のせいで工学部の最低学年が3年生になってしまうからです。
ということで、教養学部に入るというのも嘘です。工学部に入ります。

でも前述したように、1年目で教養学部の単位は取得する必要があるので、結果的に3年生を2回やることになります。
これは実質2年次編入しているのと同じなので、2年次編入と呼ばれています。
3年生の学生証を持った状態で1年生、2年生がいる教室に授業を受けに行くことになるので、ちょっとつらいですね。

高専に行って

高専から東大に編入すると強制的に留年する謎の真相を解き明かしました。
ここからは僕が高専に入って良かったこと・悪かったことを紹介したいと思います。
謎の真相が知れて満足した人はこの先は読む必要なかったりします。

良かったこと

寮が楽しかった

僕の実家は大阪にあるので、明石高専に入学するときに寮に入りました。
高専は5年間通うので、寮には5年間も住むことになります。
5年間も同じ人と一緒にいるととても仲良くなります。
たのしいですね。

卒業研究ができた

高専普通高校と違って「卒業研究」をして「卒業論文」を書かないと卒業することができません。
卒業研究をする時間が必要なので大学編入試験は夏に行われるくらいです。
大学での研究などに比べるとレベルは低いかもしれませんが、研究活動を体験できるのは良い経験になったと思います。

東大に行けた

東大の編入試験は「数学・英語・物理」の3教科のみです。
大学2年までの内容が受験範囲になるので範囲こそ広いですが、そこまでひねった問題が出たりはしません。
広く浅くみたいな感じですね。
この傾向と5年間という余裕のある期間のおかげで東大に入ることができたと思います。
普通高校から普通に東大を受験していたら受かっていた気がしません。高校生の東大受験問題を見たことありませんが。

悪かったこと

女子が少ない

女子が少ないです。
全体で3割ほど。
僕が所属していた電気情報工学科では45人中3人とか。
かなしいですね。

誰も知らない

高専のことは誰も知りません。
知っているのは高専の近所に住んでいる人くらいです。
なのでどんな学校かとかを説明するのがとても大変です。
でも、これからはこの記事を読んでと言えば大丈夫になりますね。

東大に行って

次に、高専を卒業して東大に編入して良かったこと・悪かったことを紹介します。

良かったこと

環境が変わった

まず単純に、自分の身を置く環境を変えるというのは人生を豊かにすると思います。
東大に入らなくても環境を変えることはできますが、環境を変えると価値観の違う人たちに出会うことができます。
東大は何かと優秀な人が多いですしね。
アホな友達もいっぱいできて、そいつらとアホなことをするのもとても楽しいです。

プログラミングを学習する期間が取れた

東大は2年次編入です。
大阪大学などの他の大学に編入した人は3年生から始まるので、すぐに院試です。すぐに研究室配属です。

僕は院へは進学せず就職しようと思っています。
2年生からスタートだったので好きなことを勉強できる期間があり、そこでプログラミングを本格的に勉強しました(今もしていますが)。
様々な会社でインターンをさせていただきながらプログラミングを学習したりする中で、これを仕事にしたいと思うようになりました。
3年生からのスタートだとすぐに院試ですぐに研究室配属って感じで自分のキャリアをゆっくり考える時間がなかったと思います。
大学院へ進むのはもちろん良いことだと思いますし、就職することも良いことだと思います。
でも自分には就職があっているかもということを発見できたので、2年次編入で良かったと思っています。
まぁ就職したことがないのに就職が自分に合っていると思えたのは、ほぼ社員のように受け入れてくれた数々のインターン先のおかげなので、とても感謝しています。

ネームバリュー

やっぱり東大にはネームバリューがあります。
最終的に大事なのはもちろん自分のスキルですし、僕が入ろうとしている世界はその傾向が比較的強い業界です。
でも、第一印象が良いに越したことはありませんからね。

悪かったこと

女子が少ない

女子が少ないです。
全体で3割ほど。
僕が所属している電気電子工学科と電子情報工学科は130人中10人くらい?とか。
かなしいですね。

取得単位が多すぎる

詳細は省きますが、僕が所属している学科、通称EEICは取得する必要のある単位が多いです。
たくさん授業を履修しています。
全部に出席しているわけではないですが、僕はバカなので少なからず負担になっています。
まぁ頑張って卒業しないと就職できないので頑張ります。

おわりに

今回は「高専から東大に編入すると強制的に留年する謎の真相」と「高専・東大に行って良かったこと・悪かったこと」を紹介しました。
僕は自分の選択をまったく後悔していませんし、むしろ正解だったと思っています。
これからも頑張っていきたいと思います。